スマートフォン(アイフォン)初心者編  ※スマートフォンの操作説明は、アルファベット表記が多いため、音声や点字での確認が効率的に行えるようにカタカナ表記に置き換えています。各単元の最初のみカタカナの後にアルファベット表記をカッコ内に書いています。 8 アプリの紹介 目次 1 カメラを使ったアプリ 1-A カメラアプリ 1-B 写真アプリ 1-C シーイングエーアイ(Seeing AI) 1-D サリバンプラス(Sullivan+) 2 便利なアプリ 2-A マップ 2-B ラジコ(radiko) 2-C ポッドキャスト(Podcast) 2-D ボイスメモ 1 カメラを使ったアプリ 1-A カメラアプリ 目が見えない、見えにくいとカメラの使用が難しいと考えがちですが、キューアール(QR)コードや文字認識による文章の読み取りなど視覚障害者でもカメラを利用する機会は多くなってきています。カメラアプリでの撮影の方法は以下の通りです。 ①シリ(Siri)を起動して「カメラを開いて」と声をかけます。 ※ホーム画面のカメラアプリから開くことも可能です。※カメラアプリはロック画面(パスコード認証する前の画面)からジェスチャー操作で開くことも可能です。 ②タッチやスワイプでカメラモードと読み上げるところを探し、上下のスワイプを行うと、静止画やビデオといった切り替えができます。 ③2本指でダブルタップし写真を撮影します。ビデオは、録画の開始も停止でも2本指のダブルタップが使えます。 ヒント カメラアプリ使用中にボイスオーバー(VoiceOver)を使用していると「左に傾ける」といったようにカメラの水平を保つためのサポート音声や、人物が何人フレームに入っているかといったことを教えてくれます。写真やビデオの撮影に、シャッターの代わりとして、音量ボタンが利用できる場合があります。画面右下のカメラセレクタを選択し、1本指でダブルタップすると、前面と背面のカメラを切り替えることが可能です。 カメラアプリのカメラモードは全部で7つあります。 ①写真 カメラアプリを起動すると最初に選択されるモードです。被写体に合わせて、オートフォーカスで自動的にピントを合わせて、露出の調整までしてくれます。 ②ポートレート カメラに写る人物を自動で判定して背景をぼかします。背景から人物を際立たせた写真が撮れます。 ※人物以外が対象の場合は通常の写真として撮影されます。 ③シネマティックモード 静止画のポートレートモードの動画版と言える機能です。 ピントが合う被写体を自動で調整し、それ以外の背景をボカし、被写体を浮かび上がらせます。 本格的な映画のような動画が手軽に撮影できます。機種や本体のバージョンによって利用できる機種とできない機種があります。 ④パノラマ カメラをゆっくりと動かして広角のパノラマ写真撮影が可能です。 ※カメラの高さを保つための補助や動かす速度の補助がありますが、音声化されていません。 ⑤ビデオ 動画撮影専用のモードです。通常のビデオ動画を撮影します。 ⑥タイムラプス 動画撮影専用のモードです。2倍速のビデオ動画を撮影します。 ⑦スロー 動画撮影専用のモードです。0.5倍速のビデオ動画を撮影します。 撮影した写真やビデオは、カメラアプリ内の左下にあるビューア(音声では写真およびビデオビューアと言います)を選択するか写真アプリから確認することができます。 ここではビューアでの写真閲覧方法について説明します。 ①タッチやスワイプで画面左下の「ビューア」を選び、ダブルタップしてビューアを開きます。 ②画面中央付近の「写真」と読む箇所を選択し、3本指で左右にスワイプして写真を切り替えます。 ※ビューア画面の左下にある「写真セレクタ」を選択して、上下スワイプで写真を表示することも可能ですが、数秒間操作しないと、画面の左上の「戻る」ボタンに移動してしまいます。連続して写真を切り替える場合には、再度「写真セレクタ」を選択する必要があります。 ③写真を削除したい場合は、削除したい写真を表示した状態で、タッチやスワイプで画面の右下の削除ボタンを選択してダブルタップします。警告メッセージが流れた後、再度写真を削除でダブルタップします。 1-B 写真アプリ 写真アプリには月別や日別など写真を探しやすく表示するライブラリ機能など、カメラアプリのビューアにはない機能があります。カメラアプリの画面下部にタブバーと呼ばれる場所があり、4つのボタンが並んでいます。タッチやスワイプでボタンをダブルタップするとそれぞれ対応したページが開きます。左からライブラリ、フォーユー(For You)、アルバム、検索の順で配置されています。 それぞれのタブの説明は以下の通りです。 ①ライブラリ 年別や月日別、撮影した写真や動画の範囲を決めて絞り込んで探すことができます。 ②フォーユー これまでに撮影された写真やビデオの中からアイフォン(iPhone)が自動で作成したアルバムなどが表示されます。 ③アルバム 最近の項目やダウンロードなどフォルダによって写真が管理されています。 ④検索 犬や猫、アイスクリームなどのキーワードを入れて検索すると保存された写真内から該当する写真を表示してくれます。 ※写真アプリやカメラアプリのビューア閲覧時に、タッチやスワイプで写真やビデオを選択した際に読み上げるのは日付のみになります。 以下は、写真アプリのライブラリの基本的な操作方法です。 ①シリ(Siri)を起動して「写真を開いて」と声をかけて写真アプリを開きます。 ※写真アプリはホーム画面からジェスチャー操作で開くことも可能です。 ②タッチやスワイプで画面下部のタブバーの中からライブラリを選択し、ダブルタップします。 ※写真アプリ起動時は、前回使用時に最後に開いていたタブが表示されます。 ③タッチやスワイプでタブバーの少し上にある「日付の範囲」を選択し、上下のスワイプで年別や月別を切り替えます。 ④タッチやスワイプで目的の年月や日付を選択し、ダブルタップします。ここでは、年月や日付の後に見出しと読む所では先に進めません、年月の後に写真やビデオと読み上げるかの確認が必要です。 ⑤年、月、日と詳細に向かって進みますが、最終的に選んだ日付の写真が表示されます。 ※この手順まで進むと、カメラアプリのビューアでの閲覧と同じ画面表示になります。 ⑥画面中央付近の写真と読む箇所を選択し、3本指で左右にスワイプして写真を切り替えます。 ※ライブラリは絞り込み機能ではないため、選んだ日付よりも前後の写真を表示することが可能です。 1-C シーイングエーアイ(Seeing AI) マイクロソフトが開発した無料のアプリで、画面下部のチャンネルを選択し、上下のスワイプで切り替えることで多彩な機能を利用できます。 ※ダブルタップや音量ボタンでの撮影はできません。 ①タッチやスワイプでホーム画面から「シーイングエーアイ」を探し、ダブルタップします。 ※シリでこのアプリを開くには、発音や言い方に工夫をする必要があり、正式名称で伝えても開くことができないことがあります。エーアイを開いてと言い方を工夫する必要があります。 ②タッチやスワイプで画面下部のチャンネルを選択し、上下のスワイプで機能を切り替えます。 ③人物やシーンプレビューなど撮影が必要な機能では撮影ボタンを選択してダブルタップします。 各チャンネルの機能は以下の通りです。 ※カメラの撮影時は画面内の撮影ボタンしか利用できません。 ①短いテキスト 読んでほしい対象にカメラを向けると読み上げます。撮影の必要がなく封筒の宛名などを読むのに便利です。 ②ドキュメント 書類など長めの文章を読むのに適しています。撮影対象がカメラ内にすべて入ると自動で撮影されます。 ③製品 カメラを向けた商品のバーコードを読み上げる機能です。 ※すべての商品を読み上げるわけではありません。 ④人物 カメラを向けるとカメラに映る人物とのだいたいの距離を教えてくれます。カメラで撮影するとだいたいの年齢や恰好を教えてくれます。 ⑤通貨 カメラを向けると紙幣の認識をして教えてくれます。 ⑥シーンプレビュー カメラで撮影するとカメラに映った家具などを教えてくれます。 ⑦色 カメラを向けるとカメラに映った色を教えてくれます。 ⑧ライト 周りの明るさを音の高低で教えてくれます。 1-D サリバンプラス(Sullivan+) 文字認識を得意とする視覚障害者向けカメラ読み取りアプリです。 「エーアイ(AI)モード」「文字認識」「顔認識」「イメージ描写」「色認識」「光の明るさ」「拡大鏡」といった機能が搭載されています。エーアイモードは、カメラで写した内容が物体なのか、文字なのか、色なのかといった情報をすべて自動で認識し内容をボイスオーバーで読み上げます。それ以外は、たとえば文字認識機能は文字を読み取る際に使用するように、個別の機能に対応しています。 初期設定では、アプリを開くとエーアイモードが選択されるようになっています。画面の左下の「メニュー画面」をダブルタップすると、表示モードを選択することで切り替えられます。 基本操作は、画面の下側中央にある「キャプチャー」をダブルタップするか、本体側面の音量アップ・ダウンボタンで撮影すると、簡易な音楽が聞こえて、すぐに認識結果を読み上げます。名刺のような小さな紙から書面のA4サイズまで高精度に認識できます。 設定により、アプリを開いた直後のモードを優先的に文字認識にすることができます。 2 便利なアプリ 2-A マップ 経路や公共交通機関の時刻を調べたり視覚障害者でもマップアプリは活用できます。ここでは、初めからアイフォンに入っていてシリも利用できるアップルの提供しているマップアプリを紹介します。 ①シリを起動して「○○までの経路を調べて」と尋ねるとマップアプリで経路候補が表示されます。 ※○○の部分は建物名や住所になります。 ②画面下部を1回タッチしてからスワイプで経路候補(到着時間や利用公共交通機関を読み上げます)を確認し、良さそうな候補があればダブルタップします。 ③経路詳細が表示されるので、タッチやスワイプで詳細を確認します。ここでは、電車などの乗り換え時間などを、確認できます。 ④画面右上の完了ボタンをダブルタップすると、再度経路一覧に戻れます。ナビを起動したい場合は、選択したい経路候補から右スワイプで一つ進んだ出発ボタンでダブルタップします。 ※距離が近く徒歩のみのルートの場合は、経路候補を選んでダブルタップした直後にナビが開始します。 2-B ラジコ(radiko) アイフォンでラジオのインターネット放送を楽しむことができるアプリです。電波状況に左右されずクリアな音声で聞くことが可能です。 ①シリを起動して「ラジコを開いて」と声をかけて開きます。 ※ホーム画面からジェスチャー操作で開くことも可能です。 ②タッチやスワイプで聞きたい番組名を探してダブルタップします。 ※ラジコでは一部、左右のスワイプだけでは移動できない箇所があるため、ローターをコンテナに切り替えて、上下のスワイプを利用すると便利です。 ③自動でラジオが流れ出します。再生を停止したい場合は2本指でダブルタップします。 ④番組選択画面に戻りたい場合は、画面左上の戻るボタンをダブルタップします。 2-C ポッドキャスト(Podcast) ポッドキャストは初めからインストールされているアプリです。インターネットラジオや放送局のラジオ番組の録音放送などを聞くことが可能です。 ①番組名が分かる場合はシリを起動して「ポッドキャストでNHKラジオニュースを流して」のように声をかけます。 ②シリを利用するとすぐに再生が始まります。再生を停止する場合は、画面上を2本指でダブルタップします。 ③完全に終了するにはアップスイッチャーから終了を行います。 シリでポッドキャストの番組を再生した場合、アプリは開かずにバックグラウンド再生用のプレイヤーが使用されます。ホームボタンを押すことでバックグランド再生用のプレイヤーを画面から隠して再生や停止を行うことが可能ですが、プレイヤーが動いていたことを忘れて、ふとしたタイミングで再生されてしまう場合があるため注意が必要です。ポッドキャストアプリを1度起動して、アップスイッチャーから終了していればこういったことは起こりません。 2-D ボイスメモ ボイスメモは初めからインストールされているアプリです。ICレコーダーのように録音や再生が可能です。 ※通話中など、他のアプリでマイクを使用中には利用できません。 ①シリを起動して「ボイスメモを開いて」と声をかけます。 ②ボイスメモアプリが開いたら、画面上を2本指でダブルタップして録音を開始します。 ③画面上を2本指でダブルタップして録音を停止します。 ※録音を停止した段階で、新規録音#2のような名前で保存されます。数字が大きいほど新しい録音になります。 ④タッチやスワイプで画面中央付近の再生ボタンを探してダブルタップすると録音した内容を確認できます。 ※同じ画面でタッチやスワイプで新規録音と読む所を探してダブルタップすると、録音データのタイトルを編集が可能です。 ボイスメモの再生方法は以下の方法で行います。 ①シリを起動して「ボイスメモを開いて」と声をかけてボイスメモアプリを起動します。 ②右スワイプで再生したいメモのタイトルを選び、ダブルタップします。 ③タッチやスワイプで再生ボタンを選んでダブルタップする録音データが再生されます。 ④再生を停止する場合は、タッチやスワイプで停止ボタンを選んでダブルタップします。 ※ボイスメモではメモ一覧や各メモの再生ページを表示していても、2本指でダブルタップすると新規録音が開始されますので注意が必要です。 ボイスメモの削除方法は以下の通りです。 ①シリを起動して「ボイスメモを開いて」と声をかけてボイスメモアプリを起動します。 ②右スワイプで削除したいメモのタイトルを選び、上下のスワイプで削除に合わせた後にダブルタップします。